あなたが育った家族にはどのような問題が起きていたのでしょうか?
親が何らかの依存症に陥っていたのでしょうか?
例えば、父親がアルコール依存症であった場合、父親は依存症が進行してしまうと、父親としての役割を果たせなくなっていってしまいます。そうするとどうでしょう。母親は、事態をなんとかしようと必死になります。自分の気持ちや欲求は後回しにして、父親の役割を肩代わりするようになって、様々な負担に耐え我慢するようになっていたかもしれません。これは共依存と言われているものです。
または、両親の仲がうまくいっていなかったのでしょうか?
両親に喧嘩が絶えない、あるいは、表面上は繕っていたとしても、夫婦の関係は冷え切っていて、家庭内離婚のような状況だったのかもしれません。
そのような家族の中にいたあなたの心は深く心を傷ついていたのかもしれません。
心を傷つけるような家族というものは、ただひとつのパターンがあるわけではなく、様々な形態があるものです。子どもの心を傷つけてしまうような状況に陥っている家族というのは、力のある上の家族が下の家族を抑圧して、安全や安心を守ることができず、適切な愛情や保護が与えられず、一人一人の人格や個性が尊重されていない家族です。
例えば、身体的にも経済的にも、力関係でいちばん上にいる父親が、下にいる母親と子どもを虐待し、母親が子どもを虐待し、大きな兄や姉が弟や妹を虐待するといったものです。
ある程度の機能不全が生じている状況というものは、どこの家族にもありますが、それが常に起こっていてパターン化されていたり、頻度は少なくても程度がひどかった場合には、家族の心の傷となってあとの人生に大きな影響を与えてしまいます。